肝臓がん

肝臓がんとはどんな病気ですか?

 肝臓は腹部の右上にある、成人で800〜1,200gと体内最大の臓器です。
その主な役割は、栄養分などを取り込んで体に必要な成分に換えたり、体内でつくられたり体外から摂取された有害物質の解毒・排出をする役割を持っています。
肝臓のがんは、「原発性肝がん」と「転移性肝がん」に大別されます。
肝臓がんの症状、病期などの詳細については、以下のサイトをご覧下さい。

日本肝臓学会:肝臓がん撲滅のために
https://www.jsh.or.jp/doc/citizens/book01.pdf

がん情報サービス:肝細胞がん
http://ganjoho.jp/public/cancer/liver/index.html

肝臓がんの治療はどのようなものがありますか?

 肝臓がんの治療には、手術療法(肝切除)、肝移植、局所療法(経皮エタノール注入療法:PEIT ラジオ波焼灼療法)、肝動脈塞栓術、肝動注化学療法、放射線療法、抗がん剤治療などがあります。
詳細については、以下のサイトをご覧下さい。

がん情報サービス:肝細胞がん
http://ganjoho.jp/public/cancer/liver/treatment.html

日本癌治療学会 がん診療ガイドライン:肝臓がん ガイドライン
http://www.jsco-cpg.jp/guideline/02.html

肝臓がんの診断のためにどんな検査がありますか?

 超音波検査、CT検査やMRI検査、腫瘍マーカー、針生検、血管造影などの検査があります。
詳細については、以下のサイトをご覧下さい。

日本癌治療学会 がん診療ガイドライン:肝臓がん ガイドライン
http://www.jsco-cpg.jp/guideline/02.html

がん情報サービス:肝細胞がん
http://ganjoho.jp/public/cancer/liver/diagnosis.html

肝臓がんになる人は多い年代は いつですか?

 男性では45歳から増加し始め、70歳代に横ばいと なり、女性では55歳から増加し始めます。
年齢別 にみた死亡率も同様な傾向にあります。
地域差など詳細については、以下のサイトをご覧下さい。

公益財団法人 がん研究振興財団 がんとどう向き合うか 肝がん
http://www.fpcr.or.jp/pdf/p21/liver.pdf

放射線治療

手術後生活への影響はどんなものがありますか?

<肝臓切除による創部の痛み>
 手術の場合、手術直後には、酸素マスクや手術の場所から出る血液や体液などどを排出するドレーンという管、尿をためるバルーンカテーテルという管が体に付けられています。
痛みや手術の創の状態によって、体の動きが制限されることがありますが、体の状態が改善するに従って、徐々に管が外されていきます。

<対応方法>
 創の痛みは我慢しないで担当医や看護師に伝えましょう。
痛みの度合いや体の回復状況に応じて、手のひらで痛む部分を覆ってゆっくり動くように心がけましょう。
「よいしょ。」と自分自身に声をかけながらするとよいかもしれません。
咳をする時には、傷口を手でそっと押さえると傷口に響かないですみます。
術後1か月はゆっくり過ごしましょう。

がん情報サービス:肝細胞がん
http://ganjoho.jp/public/cancer/liver/diagnosis.html

がん情報サービス:手術療法を受ける方へ
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/operation.html

手術療法を行う場合、呼吸への影響はありますか

 創部の痛みにより、息をすることがつらくなり、呼吸が浅くなっていきます。
まずは痛みは我慢しないで担当医や看護師に伝えることが大切です。
痛みの度合いや体の回復状況に応じて、痛みを和らげる処置が必要です。
痛みを和らげ、呼吸ができるようになることによって、体は少しずつ回復していきます。

生活上皮膚のケアは行った方がいいですか?

<皮膚のかゆみ>
 経過観察中に皮膚のかゆみが出ることがあります。
皮膚は日頃からお手持ちのクリームやローションを使って、保湿を保ちましょう。
かゆみがなかなかおさまらない時や白目が黄色なってきた時には、できるだけ早く受診しましょう。

がん情報サービス:皮膚障害
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/chemotherapy/side_effect/cutaneous_disorder.html

肝動脈塞栓療法や抗がん剤による 食事への影響はありますか?

<肝動脈塞栓療法や抗がん剤による食事摂取への影響>
 肝動脈塞栓療法や抗がん剤治療によって、吐き気・嘔吐が起こることがあります。
抗がん剤による副作用に味覚障害などの出現により、食事摂取に影響がでることがあります。
詳細は以下のサイトをご覧ください。

がん情報サービス:化学療法全般について
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/chemotherapy/about_chemotherapy.html#prg5_1

 口内炎を起こしやすい薬剤が分かっていますので、使用する薬剤が当てはまる場合は、対策をしっかりしておく必要があるでしょう。
詳細は以下のサイトをご覧ください。

がん情報サービス:化学療法を受ける方へ 粘膜障害・口内炎
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/chemotherapy/side_effect/stomatitis.html

抗がん剤治療する上で排泄への影響はありますか?

<下痢・便秘>
抗がん剤の薬剤の種類により、下痢や便秘を起こしやすいものがあります。
普段からご自身の排便回数や性状を確認し、異常を早期発見、対応することが必要です。詳細は以下のサイトをご覧下さい。

がん情報サービス:化学療法を受ける方へ 下痢
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/chemotherapy/side_effect/diarrhea.html

がん情報サービス:化学療法を受ける方へ 便秘
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/attention/chemotherapy/side_effect/constipation.html

日常生活における活動と休息のバランスのとり方はありますか?

 過度な疲労は肝機能に悪影響を及ぼすことがありますので、体に無理がないようにすることが大切です。
休息をとり、規則的な生活を心がけましょう。
仕事の復帰の見通しは医師と相談しましょう。
普段家事をしている方は自分の調子をみながら、家事を行いましょう。
重いものは上げ下げや腹筋などを使う作業は、無理のない範囲でとどめるか、他の人に手伝ってもらいましょう。
自分の身体の声を聞き、無理をしないように活動と休息のバランスをとりましょう。
疲れやすい、足がむくむ、食欲がない、足元がふらふらする、手指が震える、眠りがちになるなどの症状が普段の状態と比べて強いとき、あるいは急にひどくなった時は、受診するようにしましょう。

がん情報サービス:肝細胞がんの療養情報
http://ganjoho.jp/public/cancer/liver/follow_up.html

生活上の周囲の人に関して気を付けることはありますか?

 B型肝炎ウィルスやC型肝炎ウィルスに感染している場合は、歯ブラシやひげ剃り(血液がついている可能性のあるもの)を共有することはやめましょう。
食器やタオルを別にする必要はありません。
詳細については以下のサイトをご覧下さい。

がん情報サービス:肝細胞がんの療養情報
http://ganjoho.jp/data/public/qa_links/hikkei/odjrh30000012ix6-att/504.pdf [PDF]

放射線治療

穿刺療法をする場合の仕事・趣味への影響はありますか?

 穿刺療法は体への負担は少ないのですが、ラジオ波焼灼療法では、針を刺した場所に痛みややけどが起こることがあります。
経皮的エタノール注入療法では、アルコールを注入するために、アルコールに弱い体質の人は酔う感覚になることがあります。
こうした症状のほとんどは一時的で少しずつ回復していきます。
体調を確認しながら、仕事や趣味を再開していきましょう。

肝動脈塞栓療法をする場合の仕事・趣味への影響はありますか?

 発熱・吐き気・腹痛・食欲不振・肝機能障害・胸痛などの副作用が起こることがあります。
副作用の程度は、腫瘍の大きさ、広がり、塞栓した程度、肝機能によりますので、予測される副作用についてあらかじめ担当医から十分な説明を聞いておきましょう。
体調や肝機能の状態を担当医と相談しながら、仕事や趣味を再開していきましょう。

タバコやお酒はやめた方がいいですか? 

<タバコ>
 喫煙は肝がん発生に関係があると考えられています。肝がんの治療を受けた人や肝炎ウィルス感染者はたばこをやめましょう。

<禁酒>
 飲酒は肝細胞がんの発生に関係があると考えられており、特に慢性肝疾患がある人は肝機能を悪くすることがあるので避けることが必要です。

食事に関して注意することはありますか?

 食事については栄養のバランスを第一に気持ちよく食べることが大切です。
肝硬変のために、むくみや腹水がある場合は、塩分を控えることが必要です。
慢性肝炎や肝硬変などの場合、肝臓に鉄分が蓄積されることが多いためです。
鉄分の豊富な食品としては、牛・豚・鶏のレバー、かつお、牡蠣(かき)・あさり・しじみなどの貝類、ワカメ・ひじきなどの海藻類、ほうれん草・春菊・小松菜などの緑黄色野菜です。
そのほかには、納豆、豆腐などの大豆製品やプルーンなどが挙げられます。
担当医や看護師、栄養士などによく確認しましょう。

療養生活上でどのような医療情報を理解しておいた方がいいですか?

<治療前>
 肝細胞がんは、@がんの状態だけでなく、背景の肝機能によって治療方法が異なる、A再発しやすいため治療後も定期的(計画的)な検査が必要であるため、具体的な治療の進め方について、不安を抱えることが多いようです。
家族など周りの親しい人に、担当医の説明を一緒に聞いてもらいましょう。まずは、担当医の提案する治療方針が、どんな内容なのかを理解することが大切です。
もし治療の進め方について理解や納得ができないときは、相談支援センターなどで情報を集めたり、セカンドオピニオンを聞くこともできます。

<治療後>
 がんに対する治療の後も、定期的に通院し、検査と治療を継続します。
長期にわたる療養生活に当たっては、なるべく治療や検査の見通しについて、担当医によく相談してみましょう。