意思決定するために“こころ”の安定を取り戻す

がんと診断された時のこころの動き

がんと分かった時の気持ちの状態をあらかじめ知っておく

生命が危機におかれたと認識すると、人間は「不安」を感じ、不安を安定させることに集中します。
その結果、記憶、状況分析、判断、何かを決めることが一時的にできなくなりますが正常な反応です。

こんな反応が出ます:
  • ・あわてる、興奮する
  • ・何かの間違いであることを期待する
  • ・落ち着かない、安定感がない感じ
  • ・怒りがこみ上げる
  • ・些細なことに腹を立てる
  • ・気持ちをコントロールできない
  • ・誰も味方はいないと思う(おとしいれられている感覚)

→これらは「正常な不安」「持っていてもいい不安」です。

怒り、相手のない恨み、立ち向おうと気持ちが高ぶるなどの
感情の動きやなかったことにしたい気持ちが起きます

たとえば:
  • ・何も考えられない、考えようとしてもまとまらない。
  • ・病気がよくわからない、どれくらいで死ぬのだろうか
  • ・治療は効くのだろうか、効果が不確実な治療を受けるべきか
  • ・本当にがんなのか、間違いではないのか
  • ・最高の治療で絶対治すと思えたとおもったら、次の瞬間もうだめだと思ってしまう

→これらは「正常な不安」「持っていてもいい不安」です。

さまざまな疑問や壁でいっぱいになって答えが見つからないまま
頭の中をぐるぐる回ります。

たとえば:
  • ・病気は治るのでしょうか、治らないのでしょうか
  • ・どんな薬を使うのでしょうか?
  • ・入院が必要ですか?
  • ・生活は今まで通り出来ますか?
  • ・寿命はどれくらいでしょうか?
  • ・費用はどれくらいかかるでしょうか?
  • ・主治医を信頼してもいいでしょうか?
  • ・家族に言い出せません
  • ・私はどうすべきでしょうか?
  • ・これが最新・最善の治療なのでしょうか?

→当然出てくる疑問です。 どんなささいなことも大切な疑問です

対話の効果:
  • ・言語的に表現することによって自分に起こっている感情や葛藤を整理し、客観視することができます
  • ・怒りや苦悩などの辛い体験を話すことは、自らの中に可能性を見いだすのに必要な過程であるといわれています
  • ・心の中に鬱積した無意識的な感情や葛藤を自由に話したり表現させて発散させることはカタルシスと言われ心理的な治療としての効果があります
  • ・言語的な表現は文化の影響を受けます。その人のやり
  • ・言葉でない表現、例えば音楽や絵も対話の一つとして考えられます